シェアライフ(分かち合うこと)
テクノロジーの進化によりシェア(共有)という概念が広がりつつある現代は、今後どのように変化していくのだろうか?シェアによって新しい生き方を考えてみる。シェアリングエコノミー(共感型経済)とは何なのか、今なぜシェアが注目されているのか、その本質に触れてみる。⤵️⤵️⤵️
シェアとは「分かち合うこと」らしい、私的所有や経済的な利益を追求する資本主義社会が限界を迎えて、豊かさの物差しが揺らいでいる現在。「個人と個人が共感や信頼を物差しとしてあらゆるものをシェアしながら“つながり”を前提に生きていく」これがこの本に書かれている「シェアライフ」である。
著者は「内閣官房シェアリングエコノミー伝道師」という公的な役職を担いながら、全国の自治体や地方団体に向けてシェアリングエコノミー政策を事業に取り入れるアドバイスをしている。
世界各国を視察し、海外での先進的な取り組みにも詳しい。
この本の中でもシェアリングエコノミーによるビジネストレンドや新サービスが紹介されている。だが本書の着眼はそこではなく、一番のメッセージはシェアという「思想」そのものである。
本書の著者は、幼い頃から父親が経営するシェアハウスで育ち、現在は東京・渋谷にある「ともに暮らし、ともに働く“意識でつながる家族”というコンセプトのシェアハウス「CiFt(シフト)」で暮らしている。そんな彼女は、まさにシェア時代の申し子のような存在である。シェアが生み出す最大の価値「つながり」、その恩恵を存分に受けて生きてきた著者の言葉には説得力がある。
貨幣だけに価値がおかれる現代、人との「つながり」が気薄化して、「豊かさ」の概念も変わってきた。
シェアによって、一つの職場にこだわらない働き方が実現でき、全国に「我が家」を持つ事ができる。
社会課題もシェアで解決できる。その際に欠かせないのは意識して「信頼」を生むことである。
本格的なシェアには壁もたくさんあるが、一人一人のアクションで乗り越えていけるはずである。