「それは、おかしくないですか?」
「私は、こうしたほうが良いと考えます。何故かというと・・・」
「それはちょっとわからないので、教えてもらえませんか?」
このように率直に意見を言ったり、または質問をする。
これだけの事ですが、こういう状態にチームがなっているかどうかが、チームの結果を左右するくらい重要なことなのです。
心理的安全性が高いとは?
このように組織やチームの成果に向けた率直な意見、素朴な質問や違和感の指摘がいつでも誰もが気兼ねなく言える。この様な状態にある事です。
一見すると普通のことですが、組織やチームにおいてはとても難しいことです。
ただ率直に意見する。自分の人生を振り返ってもこれが難しいと感じる経験がある方は多いのではないでしょうか?
チームの一人ひとりが、意見を言い合い、質問をしても安全だと感じられる状況を作ることは、実はすごく難しいのです。
しかし、この人々が率直に話せる環境を作ることが、激しく変化し続ける時代において、組織とチームの未来のためには非常に重要なことになります。
さまざまな研究機関が心理的安全性によって、効果的な組織やチームが作れることを示唆しています。
ビジネスだけでなく、命を救うために一刻を争う医療現場などの研究においても「心理的安全性の高いチームは習熟が早く、手術の成功率が高い」という結果が示されています。
医療現場の例でもわかるように、心理的安全性は「余裕があって安定しているチームだから導入できるもの」ではありません。
むしろ、今、私たちが直面しているような、激しい環境の変化(今回のコロナウィルス蔓延によるパンデミックなど)が巻き起こり、変化しないわけにはいかなくなった時のような、チームにまったく余裕などない時ほど効果的に活動する源泉になります。
このような、不確実性の高い、いわゆる「正解のない」世界において私たちはどの様に対処していけば良いのでしょうか?
まずは、正解があった時代を見ていきましょう。
過去の成功事例から未来の成功が予測できる時代です。
1950年代から2000年の初頭までは、このような時代で、自動車業界や電気産業が「モノを作れば売れる」ような正解がある世界で大きく成長していきました。
正解が正解であり続ける時代では、速く、安く正確に作れるチームが優秀とされてきました。
一方、正解の無い時代では、昨日までの正解は明日も正解であるとは限りません。
そのため、‘暫定的な正解を模索しながら実験と失敗から学ぶしかありません。
つまり、過去の成功体験とは決別する必要があります。
正解のある時代と正解の無い時代では、必要とされる人材やマネージメントも違います。
トップダウンで言われた事を、早く、正確にミス無くこなす人が優秀とされた時代から、変化を感じさまざまな視点から率直な対話を通して現状の延長線上に無いゴールを設定する。
挑戦と模索からチームの学習を促進する。
チームの心理的安全性の重要性がますます増しているのです。