マージナル・ゲイン(小さな改善)という考え方がある。
何か目標(ゴール)を考え行動しだした時に、問題となる事を小さく改善していく事である。
これは、今日では様々な組織で試されている事ですが決して大企業や政府やプロスポーツチームにしか
導入できないことではない。
だだし、小さく改善していくにはそれに必要な専門知識と更に大切な根気強さ(やり抜く力)が必要になってくる。
ひたすら仮説と検証を繰り返すことになるからだ。
結局は当事者のマインド・セット次第となるかもしれないけど、誠実に自分の失敗を認める姿勢とその失敗から
学ぼうとする意思さえあればマージナル・ゲインはほぼどんな問題にも応用できる。
彼は、大学生の頃経済学を専攻していたが当時恋人と同棲していたアパートの電気代を払うにも苦労していた。
しかしその頃、彼の住む四日市であるテレビ番組主催の大食いコンテストが開かれることになった。
賞金額は50万円!
小林は早速このコンテストに応募した。
そしてコンテストに向けてたゆまぬ努力をした結果、見事勝利を収めた。
その後、彼は大食いコンテストは世界中で行われていることを知る。
しかも、世界ではそれぞれ賞金額が大きい。
これで、貧乏から抜け出せるかもしれないと思った彼は
(このあたりの詳細は、名著「0ベース思考ーどんな難問もシンプルに解決できる」で書かれています)
そして彼は、世界最大の大食いコンテストに狙いを定めた。
この辺りが、やはり振り切っている人はすごいな、と思います。
毎年のアメリカ独立記念日である7月4日にニューヨークで開催される「ネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権」に出場します。
この選手権のルールはシンプルで、12分間でホットドッグを一番多く食べた挑戦者が優勝です。
選手権開催日まで、小林はトレーニングに励んだ。
それはマージナル・ゲイン(小さな改善)そのものだった。
まず、歴代のチャンピオンはホットドックを端から口に押し込んで食べていたが、彼は半分に割ってから食べようと考えた。
そして実際に試してみると、口の中に余裕ができて咀嚼しやすいし手も自由になるので、次のホットドックを口に運びやすかった。
次にソーセージとパンを別々に食べてみたらソーセージは食べやすいが、パンはモサモサして手こずった。
そこで、パンを水につけてみたり、水の温度を変えてみたり、水に植物油を落としてみたりと色々試してその様子を、すべて録画しデータを取り検証し、さらに少しずつ違う方法を試してみた。
食べ方も一気に食べたり、ペース配分したり、ラストスパートをかけたりもした。
様々な噛み方、飲み込み方そして吐き出さないように腰を揺らしたりする方法も考え出した。
こうして小さな仮説と検証を繰り返していった。
そして選手権当日、初出場の小柄な日本人の小林は並み居る巨漢たちにまぎれて誰にも注目されていなかった。
当時の世界記録は12分間でホットドック25・125本
これが人間の限界だろうと考えられていた。
ところが小林は、この記録を軽々と越えて記録は12分間でなんと50本!
小林が世界記録を叩き出したのは、手術で胃袋を大きくした訳でも第二の胃袋を移植した訳でもなく(当時はそのような噂までささやかれた)そのくらい衝撃的だったのである。
彼が勝ったのは、マージナル・ゲイン(小さな改善)を積み重ねた結果である。
そのために、あらゆる小さな失敗を経験し、その都度新たな戦略を練り厳密に検証を繰り返すプロセスを続けて
成功を手に入れたのである。
このアプローチは、ホットドックの早食い競争に使えるぐらいだから何にでも使えるはずである。