今まで、一般消費者の目につかないところで運営されてきた販売セクター「グレーマーケット」に複数の企業が相次いで参入しています。
高級ブランドが正規品の15%〜30%オフで販売されていることから、取引量が膨大な数に膨れ上がっているのです。
闇市場とは異なり、グレーマーケットでは本物の高級品が販売されます。
しかし、それは正規に流通したものではありません。
販売業者は、高級ブランドが地域によって変える価格戦略と課税要件をうまく利用して、並行輸入という方法で供給しています。
最も有名な例としては、中国の「ダイコウ」外国製品、特に高級ファッションを求める中国人の需要に応える購買代理店の通称です。
中国国内より安く売られている国で商品を購入し、郵送か携行で中国に持ち込み国内で販売して利益を得るのが彼らの典型的な手法です。
あなたがこの夏、最も人気の高いハイブランドの一つボッテガ・ヴェネタのつま先が四角いスライドサンダルをオンラインで探していたとしよう。
新シーズンのモデルは、同ブランドのウェブサイトや、ニューマン・マーカスのような百貨店、または「ネッタポルテ」のようなオンライン通販サイトでは550ドル(1ドル114円計算で約62700円)以上で売られていた。
しかし、最新のファッションアイテムを30%offで提供する通販サイト「セタイヤ」で購入すればどうだろう。
あなたは、数十億ドル規模の「高級グレーマーケット」の参加者となる、
これは従来、大半の一般消費者の目につかないところで運営されてきた販売セクターで現在は急成長を遂げている。
イタリアの「バルティニ」アメリカの「イタリスト」オーストリアの「セタイア」など、世界の複数の企業が相次いで市場に参入したため、グレートマーケットの取引量は膨大な数に膨れ上がっている。
闇市場でよく見られる違法な偽造品とは異なり、グレートマーケットでは本物の高級品が販売されている。
だが価格はかなり値引きされており(通常15%〜35%引き)製造元のブランドから正規に流通しているものではない。
「安く買って高く売る」は商売の基本的な考え方ですが、コロナ禍前に日本でもあった「爆買い」または「せどり」もそうです。
為替や関税によって世界では地域差による価格差が生まれます。
中国人による爆買いなどは、中国国内で買うより日本で買って中国に持ち帰る方が安いので、みんな大量に買い付けていました。
例えば1点につき1万円安く買えれば、100点あれば百万円安く買えます。
それを5千円引きで販売しても、50万円の利益は出るのでもっと大量に買って大量に販売すれば、海外で買い付けにかかるコストを差し引いても利益は十分にでます。
現地のバイヤーが現地価格で購入し、グレーマーケットで販売する。そのプラットホームがこのストーリーです。
昔からある高級ブランド品とせどりのイタチごっこですが、現在では上場する企業があるくらいに拡大しているということですね。
当面は一つ一つグレーな企業を特定してブランド側にもメリットがある形で還元するのか、またはグレーな販売を禁止するのか(世界の地域格差を利用して安く買っているので不正取引ではないと思いますが?)もしくは、このまま放置するのか、いずれにせよこの問題はこれからも続いてきそうです。