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02 共産党の仕組みとパワー
その支配と権力の源泉はどこからきているのか?
今の「中国共産党」を学んでいこう
人口の約6.5%が党のエリート集団
割合 人数
党員の総数 ー 9191万人
女性 27.9%. 2559万人
大卒以上の党員 50.7%. 4661万人
労働者・農民 34.8%. 約3200万人
少数民族 7.4%. 680万人
40歳以下 30%以上
出典:人民日報2020年7月1日付け
党員になるとどんなメリットがある?
メリット
・18歳以上が加入可能
・政治家になるならマスト
・公務員も出世したいなら必要
・国有企業や銀行ではそれぞれの規定が異なるが、幹部以上を目指すなら必要
例えば、ある銀行なら本社副部長クラスから党員資格が必要との証言もある
デメリット
・学習会や活動で時間が拘束される
・党費が必要(月収の0.5%〜2%)
・信仰の自由が無い
政治家、公務員以外のメリットは微妙である
中国アリババ集団のトップも実は党員
2018年11月26日党機関紙『人民日報』で紹介され、ジャック・マーも共産党の党員だと判明した
党員のピラミッドの頂点に習近平がいる
総書記 1名
政治局常務委員 7名
政治局員 25名
中央委員 約200人
党員合計 9191万4000人
なぜ共産党は約70年にもわたり、中国を支配することができたのか?
中国を支える4つのポイントがある
⑴ 軍隊 ⑵政府 ⑶人事 ⑷権益
⑴軍隊 人民解放軍は中国共産党の軍隊である
人民解放軍=党の軍隊
中央軍事委員会が指導 👉 人民解放軍
中国共産党は軍事的パワーを持っている政党
一般に政変が起こる際に軍隊がクーデターを起こすことがあるが、そうした時に人民解放軍が中国共産党と異なる動きをするとは考えにくい
⑵政府 党と政府が一体
党と政府は一体化している
特に幹部は『党政幹部』と呼ばれ『党』と『政府』を行き来する
チェックポイント 👉 憲法にも「社会主義体制」は、中華人民共和国の基本的な体制である。中国共産党の領導(指導と統率)は、中国の特色ある社会主義の最も本質的な特徴と記されている
党が国を指導する体制
⑶人事 党が幹部人事を握っている
「党菅幹部原則」(党が幹部を管理する原則)というルールがあり、大学研究機関、報道機関、国有企業の幹部人事権を党が握っている
上場している国有企業も実はその対象
出典:中国国有企業における党の領導と国家の支配(中屋信彦)2019年
共産党の強力な支持基盤
中国では「市場主義経済」を導入したとは言え、国有企業の割合はまだ大きい
こうした国有企業に勤める人々やその家族は共産党政権下の既得権益者で大きな支持基盤になっている
就職先の約20%は『党関連』
しかし、2005年以降の中国では民営企業と外資系企業の割合が増えてきており、現在では民営企業の割合が国有企業の数よりも多くなっている
⑷権益 共産党と付き合うとメリットがある
統制幹部では許認可など権限が大きく、賄賂につながりやすい。党が綱紀粛清に取り組んでいても末端まで取り締まるのは難しい。民間企業も政府や党幹部と関係をよくした方が許認可などのメリットが大きく取り入ることが多い
03 チャイナドリームの行方と大きな問題
習近平氏はさまざまな「夢」を語っている
結党100年と建国100年(2049年)の2つの100年を成功裏に迎える
中間目標の2035年までに中等先進国を目指し、一人当たりのGDPを2倍(2万ドル)を目指す
21世紀中頃に軍事大国を完成させて、米国と肩を並べる
しかし、中国には4つのリスクが待ち受けている
❶米中対立 ❷少子化問題 ❸香港台湾と少数民族問題 ❹権力移行の問題
❶米中問題 ー 米中問題が米中衝突に発展する恐れ
トランプ氏から代わったバイデン政権も対中政策は厳しい。G7でも中国包囲網形成に向け動いた。
中国が経済成長することで民主化することへの期待も米国にはあったが、習近平政権で報道の自由も政治改革も後退していて失望論が多い
国際協調から「中華民族の偉大な復興」に切り替えた習近平と、放ってはおけない米国。覇権争いは衝突のリスクがつきまとっている
❷少子化問題 ー 少子高齢化が国力を損なう可能性
米中覇権争いの大きなカギを握るのは『人口問題』
中国は一人っ子政策の廃止が遅れたことで、急激な少子高齢化に見舞われる。タイムリミットはそう長くは無い
高すぎる住宅費が子供を減らす
都市部の住宅価格は年収30年分など異常に高騰
少子高齢化が経済を今後、逆回転させる
生産年齢人口増による経済押し上げ『人口ボーナス』から
👇
生産年齢人口減による経済押し下げ『人口オーナス』へ
中国、東アジアの繁栄も少子高齢化により終焉(しゅうえん)を迎える。
一方で米国は、今後も移民で人口が増え続ける。米国はここ10年中国を抑え込めるかどうかがカギ、と考えているはずである。
❸香港台湾と少数民族問題
香港、台湾、チベット、ウイグルなどの少数民族は重要な課題
対応次第では米国や国際社会からさらに批判を浴びる可能性があるほか「失点」があれば、習近平の失脚につながる可能性もある
❹政権移行の問題 政権移行ルールの崩壊が権力闘争を生む
大躍進、文化大革命(思想改革運動)、毛沢東の暴走を止められなかった反省から権力闘争を起こさない仕組みとして、指導部内で集団指導体制や定年など権力移行のルール化が進んでいた
習近平が長期政権のため『ルール』を破壊した
2014年8月 周永康を汚職で摘発
共産党最高幹部の政治局常務員経験者が失脚したり立件されるこたは、ここ25年に渡ってなかった。この不文律を破った
2018年3月 国家主席の任期撤廃
憲法を改正し、国家主席の任期「2期10年」を撤廃し、自身も3期目以降が可能になった
68歳で退任という定年の慣習も破る見込み
習近平氏が国家主席を継続することはほぼ確実
さらに、2022年の党大会で『党主席』ポジションを復活させ就任を狙っているとの報道もある
2035年までの目標を出したことで、毛沢東が死去した82歳までは継続するとの分析もある
党主席になれば、集団指導体制は完全に終わる
個人独裁が始まる
しかし、反体制派などの集団がいることも事実だと思うので、今後権力闘争が起きる可能性は高い
果たして、習近平の夢は実現するのか、または歴史は繰り返されるのか?
ポスト習近平及び、中国建国100周年は無事に迎えられるのか
こらからの中国共産党の動きに注目していきたい!
ここまで長々とお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
今回は改めて歴史は、本当に面白いと感じた記事になりました。
これからも、様々なジャンルの記事を書きたいと考えております
皆様のご興味が尽きなければ、ぜひまたお付き合いください!
それでは、次回作でお会いいたしましょう!
Goodbye, let's meet again