登山 行蔵の雑談日記

山登りが趣味のおじさんです。自分が好きな事、気になった事を雑記でつぶやいています。

【セルフマネジメント戦略】ドラッカーの『経営者の条件』個が組織の中で成果をあげる5つの習慣

組織が個人の成果を妨げる4つの現実とは?

 

ドラッカーは、個人は仕事の成果を妨げる4つの現実に直面していると述べています。

 

1・時間をすべて他人に取られてしまうこと

組織に所属して、ある程度の地位にあれば時間はすべて他人に取られてしまいます。考える時間、まとまった業務をこなす時間を確保できないことが多いのです。

 

2・日常業務に取り囲まれていること

自ら状況を改善しない限り、誰もが日常業務に追われ続ける。さらに悪いことには、日常業務は仕事の本当の問題点を教えてくれる類のものでは無いことです。日常の仕事の流れに任せると、貢献と成果に向けて働くことから離れ、いたずらに知識や能力を浪費する危険性があるのです。

 

3・組織で働いていること(自らの貢献を利用してもらう必要がある)

組織で働くと、あなた自身の能力を誰かに活用してもらえた時のみ、成果を上げることができます。逆に言えば、組織内の他人の能力を活用しなければ、私たちも成果を出せなのです。

 

4・組織の内なる世界にいること(外の世界の現実と離れている)

組織に属すると、どうしても内側への関心が強くなり、成果をあげる対象である「外の世界の現実」に疎くなります。たいていの場合、組織の中から外を眺めても、厚く歪んだレンズを通して景色を眺めるようなことになるのです。

 

組織にいれば、そのまま成果につながるわけではなく、むしろ組織に所属しているからこそ、成果を妨げられる環境にあることを、まず私たちは理解すべきなのです。

 

 

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これほどのデメリットがあるのに、人はなぜ組織に属するのか?

 

 

「組織」という構造に、これほどマイナス要因がついて回るなら、なぜ社会に無数の組織があり、尊重されているのか疑問です。ドラッカーはその理由を、こう述べています。

 

「人類の歴史は、いかなる分野においても、豊富にいるのは無能な人のほうであることを示している。われわれはせいぜい、一つの分野に優れた人といえども、他の分野については並の能力しか持たない。」出典:「経営者の条件」(上田惇生 訳)より

 

あらゆる分野で天才的な才能を持つ人はいないことで、一つの分野で優秀な人を集めて、強みを成果につなげ、人の弱みを問題化させないことで成立しているのが組織なのです。経理的な才能がありながらも内気な人は、社長としては活動できませんが、組織の経理担当なら手腕を振るえます。

 

人の強みを集めて各分野を担当させる組織は、人の持つ強みを活用し、付随する弱みを無効化している存在なのです。個人の側から考えるなら、自らの強みにスポットライトを当て、最大限発揮させてくれる組織こそ優れた存在だといえます。人は誰でも苦手なことがありますが、それを補う他者が組織にいることで、双方が恩恵を受けているのです。

 

組織のデメリットを概ね除ける『5つの習慣』

私たちは組織固有の問題に成果を妨げられる一方で、組織という存在の特性を活かし、成果を最大化する必要に迫られています。良い点と悪い点が混在している組織だからこそ、意識的に成果をあげる工夫が必要だというのがドラッカーの主張です。

 

では、どのような工夫をすべきなのでしょうか?ドラッカーが説く「成果のために身につけるべき5つの能力」をみていきましょう。

 

①:何に自分の時間が取られているかを知る

ドラッカーは成果をあげる者は仕事、あるいは計画からスタートせず、時間からスタートしているといいます。時間が何に取られているかを明らかにして、非生産性を取り除き、得られた時間を大きくまとめるのです。細切れの時間ではなく、大きくまとめた時間で重要な問題に集中的に取り組むためです。

 

②:外の世界に対する貢献に焦点を合わせる

「どのような貢献ができるか」を自問しなければ、目標が低くなるだけでなく、間違った目標につながります。手元の仕事から顔を上げ目標に目を向けるべきなのです。

 

ほとんどの人は、成果ではなく努力に焦点を合わせ、組織や上司が自分にしてくれるべきことを気にしています。

 

その結果、本当の成果をあげられません。人は、組織の外にいる顧客に、自らがどのような貢献ができるかを考えるべきなのです。

 

③:強みを基盤にする

組織は人それぞれの弱みを克服することはできません。弱みを意味のないものにすることはできます。組織の役割は、人の強みを共同事業の建築用ブロックとして使うことなのです。

 

アメリカの南北戦争で、南軍の指揮官リー将軍は、バランスを欠き弱点もあるが、戦闘指揮では明らかな強みを持つ人物を要職につけていました。その将軍たちは、リンカーンが当初任命した可もなく不可もない北軍の将軍たちに何度も勝利したのです。

 

④:領域の集中

成果をあげる人は最も重要なことから始め、一度に一つのことしかしません。成果のあがらない人は、一つの仕事に必要な時間を過小評価し、急ぎ、同時にいくつかのことをしようとします。

 

もう一つ重要なことは、「過去を計画的に廃棄する」ことです。すでに生産的でなくなった業務を定期的に発見し、それを止めること。優先順位を決める原則として、

1・過去でなく未来を選ぶ

2・問題ではなく機会に焦点を合わせる

3・横並びではなく独自性を持つ

4・無難で容易なものではなく変革をもたらすものを選ぶ。

ドラッガーは述べています。

 

⑤:成果を上げるための意思決定を行う

意思決定は組織や業績に重大な影響を及ぼします。重要な意思決定に集中し、個々の問題より根本的なことについて考えるべきなのです。

 

仕事の大河で、上流に向かって泳ぐ習慣を身につけよう

組織と仕事は流れ続ける大河のようなもので、対岸の目標に向かって、まっすぐに泳ぎ始めると、いつの間にか押し流されて、はるか下流にたどり着いてしまいます。

その結果、些末な日常業務が増え、時間は細切れになり、人の弱みばかりを指摘したくなる。大河の下流へ流されないよう、予め上流を目指して泳ぐ習慣こそが解決策なのです。

 

そして、人の強みを発揮させ、弱みを組織が無効化することで、成果を最大化すること。ドラッカーの説く仕事術は、空虚な理想(長所ばかりの人間、欠点のない組織)ではなく、現実の組織とマネージャーの仕事への鋭い洞察から生み出されています。

 

組織固有の欠点を避けながら、私たちが成果を最大化する上で、必須の戦略だと言えるでしょう。

 

ではまた。See you next time・・・